Vimのコマンド

Vimの紹介

ブログに書けば忘れない気がする。VimUnix系のOSなら大抵どこでも最初から入っている軽量なエディタ。普通のエディタと同じように使える入力モードと、コマンドを打つことで操作するコマンドモードがあって、iとEscで切り替えられる。最初は奇妙に感じるかもしれないが、慣れるとコマンドモードでの編集がとても便利なことに気づくはず。

基本コマンド

vi [file] "fileを開く
view [file] "fileを読み込みモードで開く
i "入力モードに (insert)
Esc "コマンドモードに
:w "保存 (write)
:q "終了 (quit)
:e [file] "fileを開く (edit)
:e! "変更をすべて取り消す
:q! "変更をすべて取り消して終了
:wq! "読み込みモードで開いていても書き込んで終了

[]はオプションまたは変数とする。:wと:qで:wqのようにコマンドは大体組み合わせて使える。!を付けると、強制的に実行する意味合いが付加される。また、:付きのコマンドは最後にEnterをタイプする。

:r [file] "現在の位置にfileを読み込み
:![cmd] "シェルのcmdを実行

移動

Vimの強みのひとつは、コードやテキストの構造をある程度理解してくれるので、構造単位で操作ができること。後で紹介する編集コマンドを移動コマンドと組み合わせることで、その範囲のテキストを一気に編集することができる。

←↓↑→ "それぞれ左下上右に移動
hjkl "それぞれ左下上右に移動
w "次の単語に
b "前の単語に
% "対応する括弧に [] () {} などの対の間で移動する
0 "行頭に
$ "行末に
^ "最初の空白でない文字に
{ "前の段落に
} "次の段落に
Ctrl + F "次の画面に
Ctrl + B "前の画面に
gg "1行目に
[num]G "num行目に
G "最終行に

また、コマンドは数字と組み合わせることで繰り返せる。

5j "5行下に移動
7w "7語右に移動

ここまでの機能でも、入力モードしか持たない普通のエディタよりも強力そうな気がしてくる。覚えることは多いが、一度覚えてしまえば操作はとても速くなるはず。

編集

実は入力モードへの切り替えが行われるのはiだけではない。

i "現在の位置から入力
I "行頭から入力
a "次の位置から入力
A "行末から入力
o "次の行から入力
O "前の行から入力
r "1文字を置換 (上書き)
R "置換 (上書き) モードに Escでコマンドモードに戻る
c[移動コマンド] "移動範囲を置換 その範囲の文字が消されて入力モードに
S "行を置換 現在の行が消えて入力モードに
J "次の行と現在の行を連結
~ "大文字と小文字を変換
x "1文字削除
d[移動コマンド] "移動範囲を削除
dd "現在の行を削除

どちらのモードにいるのかわからなくなったら、とりあえずEscを押せばいい。

u "undo 1つ前の変更を取り消す 繰り返せる
Ctrl + R "redo uで取り消した変更を取り消す 繰り返せる
. "直前のコマンドを繰り返す

ここまでくるともう後戻りはできないのではないだろうか。普通のエディタを使っている時にも、Vimのコマンドが使いたくなってしまうかも。

ヤンク (コピー) とプット (ペースト)

コピーとペーストはヤンクとプットと呼ばれている。削除したテキストは自動的にヤンクされておりプットできる。

y[移動コマンド] "移動範囲をヤンク
yy "現在の行をヤンク
p "現在の位置にプット

Vimでは名前付きのバッファを使うことができ、名前を指定してヤンクやプットすることができる。コードがVimモードなので"以降がすべてコメントになってしまった。

"[name]y[移動コマンド] "移動範囲をnameバッファにヤンク
"[name]p "nameバッファをプット

検索と置換

ここではregはすべて正規表現が使える。

/[reg] "正規表現regを検索
n "次の一致した検索結果に
N "前の一致した検索結果に
:/[reg] "regを含む行を検索
:g/[reg] "regを含むすべての行を検索
:g/[reg]/d "regを含むすべての行を削除
:s/[reg]/[to] "regをtoに置換
:s/[reg]/[to]/g "現在の行のすべてのregをtoに置換
:%s/[reg]/[to]/g "ファイル中のすべてのregをtoに置換
:noh "検索のハイライトを消す

:コマンドは行の位置や範囲の指定に使うことができる。編集コマンドと組み合わせることで、指定された行の範囲を編集できる。

:[start],[end][編集コマンド] "start行からend行までを編集
:7,$d "7行からファイル末尾までを削除
:0,.y "ファイル先頭から現在の行までをヤンク
:%y "ファイル全体をヤンク

使える正規表現は以下のようなもの。

[0-9] "数字
[a-z] "文字
\+ "1回以上の繰り返し
\{n} "n回の繰り返し
\{n,m} "n回以上m回以下の繰り返し
\s "空白文字
\t "タブ
\n "改行

画面分割とタブ

Vimでも画面を分割したりタブを使ったりできる。

:sp "水平方向に分割
:vs "垂直方向に分割
Ctrl + h "左の画面に移動
Ctrl + j "下の画面に移動
Ctrl + k "上の画面に移動
Ctrl + l "右の画面に移動
:tabnew "新しいタブを開く
:gt "次のタブに
:gT "前のタブに

カーソルがいる時、それぞれの画面やタブは、1つのスクリーンの時と同じように操作できる。

.vimrcファイルの編集

ホームディレクトリに.vimrcファイルを作成することで、Vimの起動時に様々な設定を行うことができる。Vimのインストール先ディレクトリなどにvimrc_example.vimなどがあれば、まずはこれを~/.vimrcとしてコピーすると良い。.vimrcの設定内容についてはいずれ書き足したい。